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onda記者会見、質疑応答パート1
第3期の終えん
06/12/08 04:11


Photo F1-Live.com

Zoom
記者会見に臨んだ大島執行役員と福井社長

5日(金)日本時間13時30分、F1界のみならず、世界中にとって衝撃的な発表がなされた。Honda Racing F1のF1撤退である。

ワークスチームとして参戦した1964年から1968年までの第1期、エンジンサプライヤーとしてかかわった1983年から1992年の第2期、それぞれの幕を下ろす際は活動“休止”という言葉を選んできたHondaだが、今年限りでのF1離脱に際しては“撤退”と述べられている。

撤退の理由はすでにお伝えしたように、サブプライム問題を発端に世界的規模で広がった金融危機、景気後退によるビジネス環境の変化によるものだと説明があった。

緊急記者会見に出席し、会見の冒頭で今回の発表内容を読み上げた本田技研工業株式会社の福井威夫代表取締役社長。途中、言葉につまり、涙ぐむ様子も見受けられ、苦渋の決断だったことを思わせた。

発表に続いて、福井社長および同席した大島裕志常務執行役員に対する質疑応答が行われた。

Q: 福井社長の現在のお気持ちを聞かせてください。また、ドライバー、チームスタッフの契約の問題もあるかと思いますが、今後の動きを教えてください。

福井威夫代表取締役社長(以下、福井): 気持ちとしては当初目標としていた成果をあげられず撤退するというのは私としても大変悔しい思いですし、残念な思いです。そしてファンの皆様に大変申し訳なく思っております。何よりも来年に向けてチーム強化ということで、F1チームに加入してくれたロス・ブラウンをはじめとする優秀なエンジニアたち、およびジェンソン・バトンを含めたドライバーたちにも申し訳なく思っております。

大島裕志常務執行役員(以下、大島): チームスタッフおよびドライバーには本田技研での意思決定の後、お伝えしました。今後の内容についてですが、ドライバーに関しては契約を・・・、バトンとは契約をしておりました。したがいまして、契約解除の手続きをとっていきます。それなりのコストは当然ながら考えております。チームのスタッフについては会社の売却を含めて検討して参ります。今後、英国の法律にのっとり、スタッフの代表との、いわゆる“コンサルテーション”という最大90日間の協議の期間がありますので、その間に売却を含め、どのような形をとるのかというのも従業員の代表と協議をしていきながら話を進めていくつもりです。

Q: この決断は具体的にいつごろなされたのか、チームおよびドライバーに伝えられたのか教えてください。また、撤退ということですが、エンジンおよびKERSの開発をなされておりましたので、改めてサプライヤーとして供給していくというお考えはなかったのでしょうか?

福井: 会社として最終的に意思決定したのは昨日(4日)です。その後速やかに関係者には連絡をいたしました。エンジン供給等の活動継続ということは今後、考えておりません。中途半端な参加はしたくないと考えております。

Q: 最終決断は昨日なされたということですが、このように重大な一報が海外から入ってきたのはなぜでしょうか? また、第3期のHondaのF1活動は紆余曲折さまざまありましたが、先ほどおっしゃられたように2006年からはオール・ホンダという形で参戦なされてきたわけですが、今年であればロス・ブラウン氏が相当するように、常に日本人以外の方がリーダーシップをとっているという印象を強く受けました。それらも含め、オール・ホンダとして活動していた意義はどこにあったのか、第3期のF1活動において得られたものはあったのか現時点で考えられる範囲で構いませんので教えてください。最後に、昨年、2009年からの躍進を目指してブラウン氏を迎えた形かと思いますが、こういう事態になり、さまざま事情はあるかと思いますが、F1界においてHondaの印象が著しく傷つけられたような印象を受けております。それについてはいかがお考えですか?

福井: 最初のご質問、海外から一報が入ってきたという事情を説明しますと、発表に際してはさまざまな方面に配慮が必要であり、まずは直接レース活動をしているイギリスの従業員の皆さん、2つの会社にわかれてはおりますが、数百人の従業員がおりますので、彼らにまずはきちんと説明するというのが第一でありました。当然、そのリーダーシップをとっているロス・ブラウン、ニック・フライにもきちんとご説明した上で従業員にお伝えしたわけです。その関係で海外から一報が入ったのではないかと考えられます。日本においては今日、この場できちんとご説明申しあげようと予定しておりました。

第3期の成果という観点では最初に申し上げましたとおり、私自身としては大変残念であり、きちんとした成果を得られないままの途中撤退と認識しておりますが、あえて申し上げますと、やはり最高峰のF1という舞台で8年間戦ってきた、たとえそれがロス・ブラウンの指揮下にあったとしても栃木研究所、Hondaのエンジニアがその最前線で最高峰の技術を学び、そしてレースの場で戦ってきた経験というのはとても大きなものだと考えております。2、3年で交代がありますので、8年間の中で延べ人数にしますとF1レースにかかわった人間は千数百人になりますし、そういった人々の財産というのはひとつの大きな成果だととらえています。技術的に言えば、今回第3期において車体まで手掛け、最終的にはレースウエアも直接携わったことで、車体関係の技術、空力にしろ、サスペンション、駆動系、制御系、いずれにしろ最先端のそういった領域の技術が磨かれたという、これが大きな成果であると考えております。

第3点のご質問に関しては最初にも申し上げましたが、きちんとした最終的な結果を出せなかったがために、そういうダメージは多少あったかとは思いますが、それはこれから、この1年後、2年後、3年後にHondaがどういう商品を出していくか、それにかかっていると思っております。


Q: 福井社長にとっては大変大きなご決断だったかと思いますが、おっしゃったようにF1というのはHondaの文化だと言われておりますし、技術を、レースをやりたいからとHondaに入ってこられた方々もこれまで多かったかと思いますので、先ほどおっしゃられた技術を生かして市販車に応用できるというメリットもあったかと思いますし、企業イメージにも大きな貢献だったかと考えますが、そういった多数のメリットを失ってしまうダメージは大きいかと存じます。その点はいかがお考えですか? また、撤退におけるコストはどの程度必要なのでしょうか?

福井: 費用については後ほど大島の方からご説明いたします。最初のご質問は先ほどのものと近いのですが、それほどまでに今の自動車産業界を取り巻く環境が厳しいと理解していただきたく、単にこれは経済危機、市場が冷え込んでいるというだけでなく、われわれの認識としてはやはり自動車産業が新しい時代に入ってきた、ということです。1年ほど前からその兆候はあったわけですが、その時代の変わり目にこういった経済危機に襲われたという風に理解しております。したがいまして、この経済危機をきちんといい形で潜り抜ける、切り抜ける、生き抜いていく、それだけではなくてその間にきっちりとした仕込みをして新しい時代に適応した商品なり技術を開発することが非常に重要だと認識しております。したがって、先ほどおっしゃられたような内容の批判はあるとしても、それは3年後、5年後にきちんと再評価されるべきだと思っております。

大島: 費用の件について、具体的な額をお知らせすることはできません。今考えております、売却でありますとか、さまざまなパターンがございますので、今の段階でいくらです、というようなことはお話しできません。ただ、全体といたしましては今決算年度に与える影響はそれほど大きなものではないと、現状考えております。

Q: 決断されたのは昨日とおっしゃっていましたが、いつ頃からこういった選択肢を含めて考え始めていらっしゃったのかを教えてください。また、過去2回の撤退の後、再びF1の舞台に戻ってこられたという経験がおありですが、今回の撤退もまたいつの日か戻ってきたいとの心意気があってのことなのか、教えてください。

福井: 先ほど申しましたように、会社としての決定は昨日ですが、私個人は以前から決めておりました。もう少しお話しますと、F1という活動はやはり相当大きなインパクトを企業に与えますので、はっきり申し上げれば毎年毎年、そういった緊張感を持ち、惰性で続けるのではなく、今年やろうと決めてもそれなりの覚悟を持って取り組んでおりました。したがって、毎年そういう検討を私自身としてするわけですが、特に今回は非常に厳しい環境であり、こういう決断に至ったというわけです。将来のことは今申し上げる段階ではなく、また再復帰することを考えての決断ではありませんし、今回は完全に撤退するということであります。将来のことはまだ白紙であります。

Q: 福井社長、撤退に関してご自身では以前からお考えだったということですが、F1撤退というのは事務処理も含めてさまざまありますので、会社としてもある程度の時間をかけて検討されての発表だとは存じます。その上でうかがいたいのですが、今シーズン、Honda Racing F1は2009年にリソースを集中する、したがって今年は半ば捨てるような形になるが、来年に期待してほしい、と、そう言い続けてこられました。ごく直近まで、HondaのWebサイトなどで配信される情報でもそういった来年に向けての期待をファンに与えるようなコメント、情報が配信されておりました。どのくらいのスパンで撤退を真剣に検討されていたのか、もしくは社長ご自身がご決断されていたのかは分かりかねますが、今日の発表のその直前まで、そうした形で来季への期待を与えるような情報を出し続けたということはファンにとって、ある種裏切り行為に感じるのですが、それに関して率直なご意見を聞かせてください。

福井: ファンの皆様には大変申し訳なく思っております。状況をご説明しますと、自動車の販売だけではなく、輸入車も含め、関与製品も含めて北米のみならず、世界中のマーケットが、11月に入ってからは特にですが、加速度的に減速しています。これはわれわれの想像をはるかに超えた状況であり、まったく先の見えない状態が11月に入ってから加速度的に続いているわけです。したがって、10月以前、少なくとも9月までの状況では今回の決断はなかったと思います。ですので、こういった状況はご理解いただきたいところであり、F1のチームの全員が来年に向けて相当の準備に取り組んでおり、かなりいい状態に仕上がっています。彼らとしては来年に向けて手がかりが十分つかめていましたし、彼らは一生懸命取り組んでおりました。それに対してわれわれがビジネス上の理由によって今回の撤退の決断を下したわけで、その面ではファンの皆様だけではなく、F1のレース界の皆様にも申し訳なく思っておりますし、ロス・ブラウンを含めたエンジニアの方々にも申し訳なく思っております。

Q: F1のルールに変動があり、各メーカーではなく、たとえばエンジンの標準化なり、そういったことがあったり、御社としても重要なマーケットである北米のレースがなくなるということがあったりしますし、コストがかかり、自動車の技術としてもF1は羽がいろいろついていて飛行機のようになってきたりしておりますので、昔“走る実験室”と言われていたころと比べるとHondaとして需要がなくなったということはあるのでしょうか? また、F1だけでなくオートバイの世界でも最高峰で戦っていらっしゃいますし、国内やアメリカでもレース活動をされていらっしゃいますが、それらはどのようにお考えなのでしょうか? その中で撤退がF1ということになったのは、やはり桁外れに費用がかかるからということでしょうか?

福井: レギュレーションや北米でのイベントがなくなるとか、そういった変化は当然ありますが、それと今回の撤退とはまったく無関係であります。どのような状況になろうが、F1はF1であり、たとえ、統一エンジンになったとしてもF1の戦い方は変わらないと思いますし、そこで勝たなければならないのだということです。非常にチャレンジングだと思います。それが理由ということはありません。

また、他のレースについてはこれから話をつめますが、今現在、私としてはMotoGPはワークスとして続けるつもりですし、インディはアメリカ・ホンダが中心となって継続するつもりでおります。それ以外はこれから詰めます。


Q: チーム売却とのことですが、見通しはいかがですか? それから、売却する場合はいつまでを期限としてお考えなのでしょうか? また鈴鹿の改修に関して、今回の撤退を受けて改修の費用など、そういった面への影響はないのでしょうか?

福井: チームの件は大島からご説明しますが、これはHondaの意思というより現地の、ロス・ブラウンをはじめ、彼らの状況をある程度配慮して考えているだけで、われわれが売りたいという考えからではありません。鈴鹿の改修状況も含め、大島からご説明いたします。

大島: チームについては見通しと申しましても、まだ決定して動き出したばかりですので、今は何とも申し上げられません。期間についても今申し上げられることはございませんが、ただ、来シーズンのスタートの地点を考えれば早急に決定しなければ話が成立しないということはお分かり頂けるかと思います。

鈴鹿につきましてはわれわれのF1撤退とは関係なく、その影響を受けることなく当初の予定通り、改修の工事を進めてまいります。


Q: F1は撤退ということですが、下のカテゴリーや鈴鹿のレーシングスクールなど、日本にとどまらず英国でも若いドライバーたちを育成されていらっしゃいますが、支援等はどうなるのでしょうか?

大島: F1は撤退いたしますが、若手のドライバー育成はこのまま続けてまいります。

Q: 先ほどの質問の確認になるのですが、第1期の終えんの際は有名な“休止”という文言が使用され、私の記憶では第2期の活動に幕を下ろす際も“休止”という言葉を使われたかと記憶しておりますが、今回は“撤退”とのことで、先ほど社長がおっしゃった、自動車産業の時代の変化にともない、Hondaのモータースポーツに対する姿勢が変化したからだと考えてもよろしいのでしょうか?

福井: Hondaのモータースポーツに対する考え方に大きな変化はないと思いますが、撤退という言葉をあえて使った背景には、経済だけでなく、自動車産業が100年をかけて発展し、われわれとしてはここで先の100年に向けて新しい時代に入ったのだという認識を持っておりますので、それほど大きな変化だと認識しているのです。したがって、例えば今で言うとF1に注いできたリソース、人材、それを新しい時代に振り向けるべきだという、ものすごく強い意志があるのだということをご理解いただきたいと思います。

Q: 鈴鹿に関して、来年は予定通りの開催ということですが、当面は富士スピードウェイと隔年開催になっておりますが、そのまた2年後、4年後と今後についてはどのようにお考えですか? それと、来年からF1の方でハイブリッドが解禁ということで、環境技術の面で先行していらっしゃるHondaとしては大きなチャンスが来るのではないかと考えていたのですが、そういった新たなチャンスの結果が出る前に、状況が厳しいということですが、撤退を決断されたことについてはいかがお考えなのでしょうか?

福井: 鈴鹿の開催の件は大島からご説明させていただきますが、KERSも含め、それにかかわらず来年のマシンには相当力を入れておりましたし、それなりの成果を期待していたわけですが、状況が状況なだけに判断が1年遅れれば3年、4年のギャップになると、それほどシビアな時期だという認識を持っておりますので、一刻も早い決断を、一刻も早い対応、新しい時代に向けた対応が必要だとの認識です。

大島: サーキット(鈴鹿)の件ですが、これはモビリティランドが会社として意思決定をしておりまして、この場で本田技研として申し上げることはできないのですが、聞いている範囲では当然来年も開催いたしますし、今後変更するという話は聞いておりません。

Jim
RACING-LIVE Japan


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