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改修工事が着々と進む富士スピードウェイ
「お客様の安全を第一に」がモットー
13/06/08 04:12


Photo F1-Live.com

バス乗降場の舗装化作業が進行中

早朝から雨模様となった12日(木)、静岡県駿東郡小山町にある富士スピードウェイがサーキット改修工事の途中経過の模様を報道関係者向けに公開した。

富士スピードウェイは昨年に日本GPを30年ぶりに開催したものの、実質的な近代F1初開催からもたらされた数々の不具合に大雨の影響もプラスされ、多くの観客から批判や不満の声が多数上がっていた。

しかし2008年日本GPに向けて富士スピードウェイは、F1事業部をF1事業本部へと格上げして体制を強化。“安心で確実な交通アクセス”と“楽しく快適な観戦環境”を基本方針とし、さまざまな部分において徹底的な見直しを図っている。

今回は、その見直しのメインとも言える場内施設改修工事(インフラ整備)の進展具合の公開となった。富士スピードウェイは主に9つの常設施設改修計画を立ち上げており、それらは今年4月初旬から着工、最終的には9月末までに全作業を終了させると発表している。

バス乗降場の完全舗装化

→2007年の状態
一部のバス乗降場が未舗装だったために、大雨によって泥濘(でいねい)化が発生。このぬかるみにより通常の観戦者の歩行はもちろん、女性やお年寄り、さらにベビーカーなどの通行に大きな支障があった。

→2008年の改修作業
昨年も舗装されていた約11万平方メートルの駐車場に加え、未舗装だった約9.3平方メートルの駐車場を新たに舗装し、場内のバス乗降場を完全舗装化。観光バスなどの大型車にも対応できるよう、厚い舗装を実施している。

→現時点での作業進展具合
現在は舗装の土台となる厚さ30cmのセメント安定処理工事を終え、その上に厚さ10から15cmの砕石層を敷いている状態。今後、この上に厚さ5から10cmのアスファルト舗装を実施する予定だ。さらに昨年は駐車場の入り口が狭い部分もあったためにバスの乗り入れが厳しい場面もあったが、今年は入口を拡幅し、大型バスでもスムーズに出入りが可能になるだろう。

バス臨時退場口新設

→2007年の状態
昨年はバスが退場する際に大幅な時間がかかり、結果として観戦者を長時間待機させるという悪影響があった。

→2008年の改修作業
そのため今年はダンロップコーナーそばにバスの臨時退場口を舗装路で新設。P7と呼ばれるヘアピンコーナー付近にある駐車場からのバスを効率的に退場させることを意図している。

→現時点での作業進展具合
現在は砕石工事まで完了しており、今後アスファルト舗装を実施する。

通路陥没部の補強

→2007年の状態
昨年は簡易的なアスファルト舗装を施していたバス通路の一部が陥没し、運行に大きな支障が出た。陥没が発生したのはP1から場外に通じる通路だった。

→2008年の改修作業
今年は当該部分では、簡易舗装ではなく完全舗装を実施。こちらも舗装層を厚くして大型バスの往来に対処する。

→現時点での作業進展具合
現在は砕石工事まで完了しており、今後コンクリート舗装を実施する。アスファルトではなくコンクリートなのは、より強固な路面とするためだ。

歩道の拡幅

→2007年の状態
昨年は“愛鷹道路(あしたかどうろ)”と呼ばれる部分の歩道が、幅4.5mしかない状況だった。またすぐ横をバスが通行していたものの、こちらの幅も3mしかないために、スムーズな通行に困難があった。

→2008年の改修作業
今年は歩道部分を大幅に拡幅。4.5mだった部分を6mにすることで、そばを走るバスから受けるプレッシャーも軽減する狙いがある。またバスの通行路も3mから4.5mに拡幅し、より余裕をもった通行を可能にする。歩道は距離にして約1.1kmの部分を拡幅し、どの部分も舗装化する。また排水路が流れている部分を利用して歩行者用通路とする部分もある(主に100R出口付近の通路)。

→現時点での作業進展具合
現在新たに拡幅する部分に仮設土留め工事を実施中。今後通路の舗装作業に入る。

歩道橋の設置

→2007年の状態
昨年はP7からメインスタンドより最終コーナー側にあるQ席に向かう場合、100R裏を抜けてコカ・コーラコーナー手前の地下通路を抜け、ホームストレートエンド付近の地下通路を通ってメインスタンドを通過する必要があったため、この場合の歩行距離が1.8kmにも達した。

→2008年の改修作業
今年は2007年にレース関係者動線だった一部分を歩行者通行化とし、ヘアピンコーナー立ち上がりの地下通路を通れるように配慮。さらにネッツコーナーや第13コーナー付近に歩道橋を設置した。これにより、歩行距離は半分の0.9kmに短縮される。

→現時点での作業進展具合
歩道橋は現在基礎工事中。橋げたの基礎部分を工事しているために、現在はまだ歩道橋の面影がない。しかし、この部分は高低差もあるということでスロープの設置は難しく、階段のみの設置となる模様。車いすやベビーカーの通行は難しくなりそうだ。


Photo F1-Live.com

歩道も舗装されて拡幅化

照明の増設

→2007年の状態
昨年は約200灯の照明を準備していたものの、駐車場や歩道を含めたサーキット施設すべてを明るい状態に保つことはできていなかった。

→2008年の改修作業
今年は照明をさらに350灯に増設。歩行導線やバス乗降上での視認性を確保する。サーキット施設の100%を照らすことを目的としている。

→現時点での作業進展具合
すでに一部分では照明施設の増設が始まっているが、本格的な作業はまだのようだ。

スピーカーの増設

→2007年の状態
昨年はスピーカーを約30基準備していたものの、すべての観戦者に素早い情報伝達がなされていなかった。

→2008年の改修作業
今年はさらに30基を増設。不足していた歩行導線やバス乗降場を中心に追加していく。また昨年発生していた“山びこ現象”を改善するためにも調整中だ。

→現時点での作業進展具合
照明作業と同じく、本格的な作業はこれからといったところだ。

ピットビルビジョンの追加

→2007年の状態
昨年はピットビルに大型ビジョンを1ケ所しか設けていなかったために、メインスタンドの環境が整っているとは言えなかった。

→2008年の改修作業
今年は第1コーナー寄りと最終コーナー寄りに1基ずつ324インチの大型ビジョンを追加。より広範囲の観客席で映像を視聴できるように配慮する。

→現時点での作業進展具合
すでに設置予定地は決定しているが、作業は7月からスタートする予定。


Photo F1-Live.com

新たにバスの退場口を新設

雨宿りルーフの新設

→2007年の状態
昨年は予選日と決勝日に雨が降ったこともあり、雨が降りしきる中で食事や休憩することを余儀なくされた観戦者が大勢いた。

→2008年の改修作業
今年はメインスタンド付近にある“F1ビレッジ”に、雨宿りルーフを4カ所設置。計約2,300平方メートルを屋根のある休憩所とすることで、1,500から2,300人が雨に濡れずに休憩することが可能になる。

→現時点での作業進展具合
こちらは8月から9月末にかけて作業が行われるため、現在は進展なし。また決勝日来場予定の11万人に対して、雨宿りルーフやメインスタンド屋根部、さらに各指定席エリアを合計した雨宿りスペースは約1万人分のスペースしかないということになるが、そこは屋外イベントということを考慮し、観戦者同士での譲り合いが必要になってくるだろう。

富士スピードウェイは以上の作業のうち、舗装工事・道路拡幅工事、照明工事、スピーカー&ビジョン増設工事を8月末までに完了させる予定。これらは8月末に開催されるフォーミュラ・ニッポンのレース時に運用確認を行うことになる。歩道橋工事と雨宿りルーフ工事に関しては建築法の確認などもあるため、9月末の完成予定だ。

またF1イベント時の仮設設置物としても、雨宿りスペースとして最大4,500人分を準備する仮設テントや、女性比率増加や配置見直しを考慮に含めた仮設トイレの増設、また仮設スタンド前に設けられた仮設ビジョンの大型化(170ないし250インチだったものを、250ないし300インチに大型化)、ピットFMアンテナの可聴エリアの拡大なども検討中だ。

今回関係者が明らかにしたところによると、改修費用は20数億円にも上る模様。F1日本GPを成功に導くために、大胆な“カイゼン”を実施する。また昨年は最後の観戦者がサーキットを後にしたのが22時30分となってしまったが、今年はレース終了から遅くとも3時間半をめどにしている。さらに昨年は問題が関係者上層部に伝わらなかったことを反省し、今年はモニターカメラを駆使して状況把握を徹底する構えだ。

2008年はさらに地元と連携を図りながら、ファン全員が楽しめるイベントを開催することを目標に掲げる富士スピードウェイ。昨年賛否両論発生した“チケット&ライドシステム”は継続となるが、サーキットでは“シャトルバス方式”ではなく“留置き方式”を採用して、雨天の場合でも観戦者がバスで雨をしのげるように配慮する。

今年は“大雨が降ること”を大前提として作業を実施しており、改修工事も順調に進んでいる模様。新生富士スピードウェイでのF1開催2年目に大きな期待が高まるが、今年はその期待を裏切らないものになりそうな予感だ。今後の富士スピードウェイの作業にも注目したい。

Kay TANAKA
RACING-LIVE Japan


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