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シミュレーション−コンピュータ技術と経験
富士に向けたBMWザウバーの取り組み
24/09/07 15:20
Zoom
シミュレーションを駆使して準備をしてきた
F
1サーカスが日本に上陸し、来週末、まだどのチームも走ったことのない富士スピードウェイをF1マシンが走る。
しかし、BMWザウバーF1チームは初めての走行を前にして、すでにマシンのセットアップを最適に近い状態まで持ってきている。これを可能にしたのは、先進のシミュレーション・プログラムと、インテルの支援を受けたチームのコンピュータキャパシティ拡大だった。さらに、経験も重要な役割を演じている。
2006年後半、BMWザウバーF1チームのシミュレーション専門家が日本のレース主催者から富士の新しいCAD(コンピュータ支援設計)ファイルを受け取った。このデータに基づき、技術者の1人が、コンピュータプログラムを用いてコースの理想的なラインを計算し始めた。この過程で、サーキットは2つのステージに分けられ、500から800のセグメントに分割された。その1つ1つの半径が測定され、数値的に理想的なラインを定めていくという作業だった。
その後、次の次元に進むためにサーキットのイメージが拡大され、トラックの勾配プロファイルがコンピュータに入力されていった。傾斜と下りのセクションは、マシンのスピードに重要な影響を及ぼす。特に長いストレート上での影響が大きい。
「レースの週末で貴重な時間を無駄にしないために、われわれは前もって、ダウンフォースレベル、ギアボックス比、ブレーキ仕様をできるだけ正確に決めておく必要がある」
とBMWザウバーF1チームのテクニカル・ディレクター、ウィリー・ランプは語る。
エンジニアの次の行動は、マシンのメカニカルセットアップを決めることだ。最初に、彼らは類似サーキットの値を利用して重量配分を決める。次に、再び経験に基づく値を参考にして、スプリングとダンパー・セッティングを仕上げる。
ランプは次のように説明する:
「富士でのレースがシーズンの終盤に組み込まれていたことが役に立った。ここまで、シーズン中に収集したF1.07の豊富なデータを日本で使うことができるからね」
次に使用されるテクノロジーはラップ・シミュレーション・ソフトウエアである。この非常に専門的なコンピュータ・プログラムは、クルーがラップタイムをシミュレーションできるようにBMWザウバーF1チームのエンジニアが作成したものだ。ここで、チームはマシンのテスト―もちろんバーチャル形式で―を始め、さまざまなレベルのダウンフォースを試す。マシンは特定の仕様で準備され、それによって得られるラップタイムがプログラムからはじき出される。このようにして、エンジニアは新しいサーキットに最適なダウンフォースを決めることができる。
富士スピードウェイの場合、ミディアムダウンフォースが最適であることが分かった。さらに完成レベルを上げるために、レース前には数多くの細かなウイング・セッティングが比較されることになる。
次の焦点はグランプリ中の理想的なギア比の設定に移る。富士で予想されるトップスピードは、長いストレート上での320km/hから330km/hの間と考えられており、エンジニアはまず7速をセットする。次が1速だ。ここで重要になるのが、1速を使うのがスタートラインからの発進時のみなのか、ラップ中にも使うのかという点だ。残る5つのギアは、エンジンの出力曲線に基づいて計算される。
ラップ・シミュレーション・ソフトウエアは、マシンのダウンフォースレベルとコース特性から、ブレーキの磨耗を導き出すことができる。簡単に言うと、ブレーキが高、中、低のどの負荷にさらされているかを判断するわけだ。技術者は、これらの結論を用いてブレーキディスクやパッドの材質を選び、ブレーキキャリパーの仕様を決定する。シミュレーション技術によって、ブレーキに必要なクーリングの値を選ぶこともできる。ブレーキ・ベンチレーションは空力効率で重要な役割を果たす。通気孔が小さければ小さいほど、生み出されるダウンフォースは大きくなる。
最も高性能なコンピュータ処理でさえ、答えを出せない大きな疑問が2つある。1つは路面のグリップで、もう1つはタイヤの磨耗レベルだ。ランプによると、
「フリー走行で何度かロングラン―両方のタイヤコンパウンドで10周かそこら―を行ってみないと、コース上での実際のタイヤの挙動は分からない」
という。
この情報は、2回のフリー走行の後に開かれる週末最初の戦略会議のベースとなる。ここで、集められたすべてのデータが分析され、最適化の作業が進められる。
このデータはまた、戦略シミュレーション・プログラムに入力され、幅広い情報を総合して、実行可能なあらゆるレース戦略が打ち出される。それによってエンジニアは1ストップ、2ストップ作戦のタイムを秒単位で知ることができる。さらに、天気予報やコース特性が考慮され、オーバーテイクの難易度が示される。土曜日や日曜日のレース前に行われる、その後の作戦会議などでも新しい情報がもたらされ、これらの結論が吟味されることになる。
「シミュレーション・ソフトウエアによって計算されるラップタイムとトップスピードが、実際の値から1%以内に収まることを目指している」
とランプは述べており、シミュレーションの正確性に自信を見せた。
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